子どもたちを悩ませている「置き勉」が、全国で少しずつ広がっています。通学が楽になったのは喜ばしいことですが、置き勉にはちょっとしたデメリットも。
家庭学習で教科書が必要になったときに、学校に全部置いてきてしまうと困りますよね。わが家でも、何か良いものがないかとあれこれ探しました。教科書代わりに使えて、より詳しい解説と問題集にもなるおすすめ参考書を見付けたのでご紹介します。
私は前置きが長くなるので、お急ぎの方は目次から必要なところだけご覧ください。
なぜ置き勉がいけないの?ようやく文部科学省からお許しが出た
最近の小学校や中学校では、学校にノートや教科書を置いて帰ること(通称「置き勉」)を禁止しています。毎日のように学習する国語や算数(数学)ならばいざ知らず、週に1度ページを開くかどうかという使用頻度の低い道徳や保健の教科書、各種副読本のたぐいまで、全て持ち帰れというお達しです。
以前から、重すぎるカバンが成長期の子どもに悪影響を及ぼすのではという疑問の声が挙がっていました。そんな全国からの要望を受けて、ようやく文部科学省が全国の教育委員会に対して、重すぎる荷物を緩和するようとの通知を出しています。
うちの子どもも、ランドセルに入りきらないほどの荷物に肩が痛いと時おり訴えていました。夏場だけでなく、通年持つようになった水筒もけっこうな重量です。月曜や金曜日はさらに給食着や借りた本などが加わります。大人でも嫌になる荷物の量です。一度、お子さんのランドセルと水筒などの持ち物を持ってみてください。びっくりします。体の小さなお子さんなんて、ホント気の毒です。
ようやく…。
無駄な荷物のせいで腰痛になった児童もいたそう。
うちは2年生で9kgのときあった。
成長期に悪影響でかねないよ。 https://t.co/Or4TvVkNw4— ワタベユキエ@転勤族ライター (@watabeyukie) 2018年9月2日
置き勉するのも無理はない…荷物の重量は10年前の3割増し

ランドセルにも地域差はある
小学生、中学生のお子さんがいない方は、「自分が子どものころは全部持ち帰っていた。今の子は甘えてる」などと誤解しがちです。そもそも、昔とは教科書、ノートの総量がちがいます。脱ゆとりで教科書は厚くなり、副読本、資料集、ドリルのたぐいも増えています。国語だけでも教科書、漢字ドリル、音読表、ノート3冊。各教科でノート複数使いは当たり前です。朝読用の本や図書館で借りる本…。新聞記事によると、10年前よりも3割増えています。
子どもの荷物が重くなっている背景には、小中学校の授業時間数の増加に伴い、教科書のページ数も増えていることがある。
教科書協会によると、小学1~6年生の教科書は合計6518ページ(2015年度)、中学1~3年生の合計は5783ページ(16年度)で、それぞれ10年前と比べて約3割増えている。
ランドセルメーカーのセイバン(兵庫県)が今年3月、小学生の母子2千組を対象に調べたところ、最も荷物が重い日は平均で約4・7キロあり、ランドセルの重さを含めると約6キロの荷物を背負っていた。また、首などに何らかの痛みを訴える子どもが約3割いたという。
(引用:朝日新聞デジタル 2018年9月6日)
子ども自身が問題なく通学できるのならそれで良いのですが、体格には個人差もあります。雨の日も風の日もあるでしょう。もし重い荷物を抱えて不審者に出くわしたら…。よろめいて事故にでも遭ったら…。腰や肩などを痛めたら…。心配症と言われればそれまでですが、これから未来に向かって行く子どもたちに不要な重しはいりません。
置き勉が許可されてから通学が楽になった
文部科学省のお達しが出てからしばらくして、うちの子の学校でも低学年に限っては「置き勉」が正式に許可されました。うちの子の学年は申請制ということでしたので、理由を説明して晴れておき勉しても良いこととなりました。子どもに聞いたところによると、クラスで置き勉している子は3割程度のようです。
置き勉もある程度の必然性はあるそうです。第一は家庭でも学習するため。そして、教室内の置き場所が限られているということ。そして、紛失などのトラブルを避けるため。確かに一理あります。学校によって、置き勉の考え方も違うので各家庭で話し合って最善を探してください。
置き勉するようになって、わが子は朝学校に行きたくないとのグチが少なくなりました。朝一番の体育がある日は、相変わらず「ダルい」などとぶつくさ言っていますが。
置き勉の唯一のデメリット…教科書無しで家庭学習をどうするか?
めでたく置き勉が許可されて、ハタと困るのが家庭での勉強です。置き勉といっても、どこまで教材を持ち帰るのかは各家庭、学校の判断によります。最低でも宿題は持ち帰るでしょう。それと、小学生なら国語、算数の教科書、ノート、ドリルのたぐいは毎日持ち歩く方が多いですよね。
うちでも毎日宿題は出されるので、プリントやドリルは持ち帰ってきます。問題は教科書です。結構な割合で持ち帰らないのですよね。基本、無くても何とかなるのですが、宿題や家庭学習でひっかかった部分が出てくると教科書にさかのぼりたいことも出てきます。親が教えれば解決する話しですが、なかなか簡単ではありません。
算数の問題の解き方で、親が覚えている方法と今の教え方とが異なっていることがあります。サクランボ算なんて、最近まで聞いたことすらありませんでした。また、そもそも、忘れていていることだってあります。
やはり、教科書が手元にあると親も便利なんですよね。学校での授業の進度も把握しておきたい。そんな意味からも、どうしたものかなと考えあぐねていました。一時は使っている教科書と同じものを家用に買いそろえようかと考えていたのですが、書店であれこれ探すと教科書よりも分かりやすい参考書がたくさん発売されているのです。しかも、問題集にもなる。正直なところ、教科書だけでは親の自分が分かりにくかったので買って正解でした。
各社教科書代わりにできる参考書があるが、分かりやすいのはコレ
教科書としても問題集としても使える
去年までは別の出版社のテキストを使っていたのですが、試しに学研の参考書にしました。結論として、わが家では学研の「基礎から発展 まるわかり」シリーズが合っていました。
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算数では、章のはじめに「教科書のまとめ」として、覚えるべきポイントがまとめられています。各単元の具体的な項目についても、かゆいところに手が届くような解説がサイドにみっちり。つまづきやすい考え方などを、イラストや図も交えて丁寧に説明しています。
基本をおさえたら、「基本ドリル」「テスト予想問題」「ハイレベル問題」で理解度を確認します。「ハイレベル問題」は公立組にはいささか難しすぎるので、お好みで。
やはり教科書が必要な理科も同シリーズを購入しました。写真や図が多くて、子どもの理解に役立ちます。
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付録も使える「計算練習ミニブック」「暗記カード」

計算ドリル
これだけで十分という訳にはいきませんが、ちょっとした計算ドリルが付録としてついています。学校の宿題がない日に使えます。

暗記カード
理科の付録は重要事項の暗記カードです。表に問題、裏に答えという形式です。付録らしく、自分で切り取ってリングにつづるので多少手間かもしれません。
子どもの学校の教科書に合わせなくて大丈夫?
発売されている参考書のたぐいを見ると、各教科書会社に対応しているものといないものが存在します。お好みでどちらを選んでも構わないと思います。こちらのシリーズは1つの教科書には対応していませんが、「教科書内容対応表」なるものが挟み込まれていました。
今のところ必要性は感じませんが、こうしたものがあれば敢えて1つの教科書対応にこだわる必然性もないかなと。
1300円でここまで使える参考書ならば、家庭に各教科あっても損はしません。家庭学習派の方はぜひどうぞ。
参考 家庭学習派の強い味方!

参考 子どもの家庭学習をどうする?



