子どもが生まれ、海外旅行はいつから行ける?
独身のころならば長期のお休みに、海外旅行という選択肢もありますよね。ですが結婚し、子どもが生まれようものならばそう簡単にはいきません。
何歳からでも、行けるにはいけます。子どもが乳幼児のころならば、料金こそかかりませんが健康面や安全面での心配がてんこ盛り。乳幼児がいれば、大人の行動時間や範囲もだいぶ縛られてしまいます。泣いたりぐずったりすることを考えれば深夜便は利用できないし、食べ物も大人と同じものを食べられないうちならばローカルの飲食店や屋台の利用も二の足を踏みます。そもそも、幼児を苦労して海外旅行に連れて行っても数年後にはキレイさっぱり忘れています。
小学校に上がれば、家庭によっては夏休みや冬休みに海外旅行にでかけるケースも出てきます。低学年ならともかく、それ以降ならば問題なく大人といっしょの行動も遜色ありません。問題とすれば、学校です。子どもの学校の休みに合わせるとなると、どうしても旅行に行けるのはゴールデンウイークやお盆、年末年始のお休みしかない訳です。
航空券や旅行のツアー代金を見ればわかるように、みんなが休む時期はえげつなく料金は高騰します。そして、大人だけならさほどでもない旅行代金も家族全員でとなると、けっこうな金額です。子どもが初海外ともなれば、新たにパスポートも取得しなくてはならず、印紙代に写真撮影代とお金がかさみます。旅行保険も必要ですしね。独身時代なら自分一人分の旅費でいいので数万円。家族全員となると、格安の乗り継ぎ便利用なども使えず、相応の料金のチケットを買わざるを得ません。人数も増えるので、近場の海外旅行でも20~30万円くらいは予算を見ないとなりません。
小学生でも学年が上がるごとに、お金だけの問題ではなくなってきます。小学生も学年が上がると勉強も難しくなってくるし、部活動やなんやで、長期休みでも旅行自体に行きづらくなってくるのです。中学・高校になると、親よりも友達とつるんでいるほうが楽しくなってきますよね。無理からぬことではありますが、ちょっと寂しい…。
子連れの海外旅行は小学校低学年からがちょうどいい
本人の記憶にも残り、物理的に連れて行きやすくなるのは小学校中学年くらいからだと思います。同じツアーには小学生もうち以外に数人参加していましたが、下は小学1年生から。何度か迷子になりかけていましたが、ハードな日程にもかかわらず元気に楽しんでいました。
しっかりしたお子さんならば、低学年からでも行く甲斐があるでしょう。そもそも、子どもを海外に連れて行くのは多少なりとも、日本以外の世界を知って欲しいから。数日ツアーで行ったくらいでと笑われるかもしれません。それでも、日本以外の国を体験したかしないかは大きなちがい。
いくら映像や文字でふれていても、現地の言葉や人の活気、食べものや街並みはその場に身を置かなければ本当のことはわかりません。日本とはちがうルールで、異なる言葉や貨幣で動いている国があるんだということを体感するだけで、子どもは大きく成長します。
そんなことから、わが家では子どもと旅行に行くのは本人の刺激になる年齢からと考えています。要は記憶に残るくらいからですね。具体的には小学校・中学校のうちと考え、これから機会があれば何度か行きたいものです。
子供連れ海外タイミング
・乳幼児 → 物理的に難しい・記憶に残らない
・小学生 → 好奇心のタネとなる・学業にも影響しない
・中学以降 → 学業優先・親と行動したがらなくなる
・学校の休みの日に縛られる
学校の休み期間で安いツアーがあればチャンス
全国転勤のある転勤族なので、国内でも引越しや帰省に絡めてあちこち見てまわるようにしています。各家庭の考え方があるのでそれぞれですが、うちでは基本的に学校を休ませてまで…とは思いません。
そうなると困るのが旅費。ハイシーズンの旅行となるので料金の高さに二の足を踏んでいたんです。
なかなか難しいなと考えあぐねていたとき、ふと目にした新聞広告か何かでシーズン中のツアー料金が同一のものがあったのです。なんと、ピークのはずの大晦日、お正月まで同じ料金です。しかも、近くの長崎空港発着ではありませんか。行き先は正直、二の次。日程と利用空港だけで決めたようなものです。まあ、ご縁があったということで。
若いころは、自分で全て手配する自由な旅をしたいですよね。すべて自分でとは言わないまでも、航空券とホテルのパックを利用してあとはまるまる自由行動なんて旅がメインではないでしょうか。
私自身、独身の頃は航空券とホテルだけ押さえて、近場のアジア旅に出かけていました。数回なので全く旅慣れているとは言えませんが、何とかなるものです。空港や駅、ホテルや飲食店で分からないことがあっても、片言の英語や現地語でお互いコミュニケーションをとろうと思えば大まかなところは通じます。道に迷ったり話が通じなかったり、トラブルも旅のうちと割り切れるのが若さゆえ。
これが、年齢を重ねるにつれ自由旅行が億劫になる理由です。細かく現地情報を調べて、交通手段を考えて…という気力も時間も家族をもつころにはなくなります。ましてや子連れとなると、楽しみよりも心配が上回るというのがほんとのところです。
格安ツアーは現地ガイドのみで、添乗員がつかない
かくして、目に留まった、ベタなツアー。各旅行会社が出している、格安のツアーは添乗員がつかないため価格がお手頃。添乗員はいませんが、現地ガイドさんはつきます。ちがいは何か、ざっくり説明します。
添乗員
日本出発から帰国まで、全工程に同行してくれる。
機内での書類の記入や、空港での入国審査などもサポート。
現地での宿泊も参加者と同じホテル。
部屋の不具合やトラブルにも対応してくれる。
現地ガイド
旅行先で合流。
送迎や観光などのみのサポートに限られる。
参加者と同じホテルには泊まらない。
旅行会社やツアーによって、内容は変わってきます。それでも、基本的に安い設定のツアーには細々とお世話してくれる添乗員はいないと思っていた方がよいでしょう。
とは言え、一度でも海外に行ったことのある人であれば、問題はありません。手続きなどの流れは決まっていますし、現地ガイドさんと合流さえすれば大丈夫。電話番号も教えてくれますし、たいていは質問すれば教えてくれます。
今回のツアーの現地ガイドさんも、うちと同じくらいのお子さんがいるママさんでしっかりした方でした。細かな注意点を教えてくれ、空港内の手続きで分からないことはお手伝いもしてもらいました。
子どもを海外旅行に連れて行くメリット
行く前は心配もひとしおだったのですが、ふたを開けてみれば私よりも子どもがしっかりしていました。事前に送付された旅行日程をきっちり読み込み、ご丁寧にマーカーで線まで引いていました。
「空港で知らない人から荷物を預かっちゃだめだよ」
「集合時間は〇時で、5分前行動だよ」
「パスポートは親が持ってね」
親と子が逆になったように、あれこれと注意されました。機内ではエコノミー症候群予防のために、足を動かすように指導も入りました。親が頼りないと子どもがしっかりするという好例です。現地についてからは、時計を現地時間に直すようにとまで。ちがう意味で、いささか将来が心配です。
中国に行ったのですが、基本的に英語はほとんど通じません。空港やホテルでも英語で話しかけても中国語で返ってきます。ですので、何とかコミュニケーションをはかるべく、子どもと一緒に「おはよう」「ありがとう」だけ練習しました。最初はむっつりしていたホテルのレストランのスタッフさんや、バスの運転手さんも中国語で声をかけると明らかに感じが変わります。それ以上の会話はできないものの、一言でも現地の言葉を知っていることの大事さは子どもも理解したようです。
また、中国の子どもたちは日本以上に勉強に力を入れていることも知りました。街には塾が立ち並び、夜遅くまで習い事に通う子どもたちの姿。自分の生活を向上させるために、常に努力を重ねている様子。勉強すればいいというものではありませんが、何かしら刺激をうけるところがあったはずです。
帰ってきてからも、テレビ番組で中国が映ると反応し何かと話題にしています。先日の航空教室に参加したときの記憶も相まって、空港や飛行機の話題にも敏感です。地元の英語体験イベントにも何度か参加していて、子どもの中にもほんの少し国際化の風が吹き込んだかもしれません。
お勉強の英語だけでなく、これからの時代の子どもですから、世のなかを広い視野で見ることができるようになって欲しい。子どもを海外旅行に連れて行くことは、そのきっかけになるのではないでしょうか。